2016年01月04日
その七、奄美の生き字引 さた豆作り名人・福崎さん

お次は、「ケンムン村」に勤続20年の福崎としこさんの元へ。
さた豆作りの名人に、作りかたのコツを聞きに行ってみました。


普段はこの鍋で、一回に30~40人前のさた豆を作っています。かき混ぜながら火にかける時間は20分くらいで、鍋からあげたら広げて冷まし、袋詰めするそうです。
ばしゃ山では、最初に水ではなくくび木をいれて砂糖を溶かします。そして最後にワインを入れて風味づけ。
「家で作るなら、ワインなんてシャレたもんはないから黒糖焼酎使うけどね」
と教えてくれました。
さた豆は、ピーナツや大豆などで作られたものが多いですが、硬くて水分の少ないものなら何でも作れるそうです。豆やドライフルーツならだいたい応用できるとのこと。
いろいろな食材で作ってみるとおもしろそうですね。

さた豆作りのコツを聞きにきたつもりが、いつの間にやら話題が変わり……
「昔はね、よく親にふるむん(バカ)と言われたのよ。畑仕事の仕方がなってないからね。
でも、家で必ずみんな揃ってごはんを食べるでしょ。
その時に、いつもふるむんっち言ってくる親が「あんたのおかげで仕事が終わった」って言うのよ。そうすると、またがんばろうと思えたのよね。
だからね、晩御飯だけは全員で食べなきゃだめ。私の息子もそう育てたよ。
「ある日、息子が帰りが遅くなるって電話してきたのよ。それでもいいから、食べないで待ってるって言ったのよね私は。
そしたら、息子の方が折れて帰ってきたよ。ちょっと怒ってたけどね。」
と、子育てに大切なことを教えてもらいました。
まだ子供はいないけど、というか失恋したばかりだけど……将来の参考になりますね。

そして琴音は、シマ時間について聞いてみました。
「おばにとっての島時間ってなに?」
「そうね、遅れたり早くなったり、結婚式とかコンサートでも時間通りにはいかないよね。しかも遅れた人は堂々として悪びれないね。
私は昔、機織りをしていたのよね。夜の10時に工場が終わり、仲間と海辺で月明かりの下語らうのが楽しかった。今思えば、あれも島時間だったかもしれないね。朝日、夕陽、月の光の美しさを感じるのも島時間かもね。」

おば、素敵なお話ありがとうございました。
ご協力
◆ケンムン村
http://www.amami-basyayama.com/
〒894-0508 鹿児島県奄美市 笠利町用安1246−1
電話 0997-63-1178
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ライター:泥ぬ マコ(どろぬ・まこ)

取材・記事作成・編集の他にも企画・構成・LP作成などWEBや紙媒体で仕事しています。
泥ぬマコ運営ブログ→泥ろぐ http://doronumako.com/
Posted by あまみのシマ時間キット at 10:22│Comments(0)
│のんびり、ゆっくり、癒しのとき。島時間を訪ねて